JA紀北かわかみ青年部は、耕作放棄地対策としてソバ作りに取り組む。青年部会員45人は橋本・伊都地方の柿生産者が中心。肥料・農薬の研修会、学童農園の運営などで定期的に集まり、技術や経験などを積極的に情報交換している。
近年、同地域では耕作放棄地が問題視されている。荒れた農地は、病害虫の発生源となる他、不法投棄などごみ問題の温床にもなっている。近隣で農業を営む会員らにとっても深刻な問題だ。
同青年部では、10年前から「耕作放棄地の減少と有効利用」をテーマに、水田だった耕作放棄地約13アールを借り受け、果樹と競合しない省力品種のソバの栽培を始めた。
収穫したソバは製粉・製麺し、JAが運営するデイサービスセンターや農家レストラン食菜館などに販売・提供する。収穫量の不安定さが課題で、現在はソバと並行して省力品種で荒天に強いニンニクの栽培を始めるなど試行錯誤を重ねている。
ニンニクは、直売所などで販売する他、地元企業と連携してドレッシングに加工するなど、広く地産地消をアピールしている。
同青年部の目的は、あくまでも高齢化などによる耕作放棄地の増加を食い止めること。小林大将青年部部長は「果樹と競合せず安定した収入を確保できる品目を研究・栽培することが最大の課題。今後は需要から逆算した品目の栽培を目指す」と話す。
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